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Alfred Brendel(ブレンデル)のレクチャーに参加!

なんとなんと、UC Berkeleyで、
あのピアノの巨匠、Alfred Brendelのレクチャーがあり、
先週の金曜日、夫と共に参加してきました。
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Brendelといえば、世界中で活躍し、多くのCD全集を出している、
世界的に有名なピアニストですが、現在、お年は78歳。
ピアニストとしてのキャリアは、2008年ウィーンでのコンサートを最後に引退し、
最近では、北米や欧米を中心に、レクチャーして周っているようです。

このイベントを知った時は、これは絶対行かねば!、
夫にもブレンデルの素晴らしい演奏を聞かせてあげなければ!と、
勢い立ち、その翌日にはチケットを買いに走りました。

と言うのも、、、
私にとっては、ブレンデルはちょっと特別なピアニストでもあるからです。

小さい頃、母がシューベルトやベートーヴェンの全集を買ってくれたので、
私のピアノのお手本(言い方が、おこがましいですが。。。)は、
ブレンデルでした。

ずっと私にとってはCDの中の人だったのですが、、、
幸運にも、生の演奏を聴いたのが、ロンドン留学中の時でした。

プロムとよばれる、夏の間毎日行われるコンサートに、
学校帰りほぼ毎日通っていた私は、おそらく5ポンドくらいの立見席で、
まさに至近距離で、ブレンデルのモーツァルトを聞いたのでした。

CDのジャケットも幾度となく目にしていたので、
私の中では、ブレンデルはいつまでも若いまま・・・でしたが、
こんなにおじいちゃんになっている事に、少し驚きましたが、
あんなに感動する演奏は、初めてだったかも知れません。

経験のなす業でしょうか、
いぶし銀のような演奏で、その姿に後光がさしているようにも思えました。

そんな演奏をもう一度きけるなんて、しかもこのBerkeleyで。
私の感動が伝わるでしょうか・・・。
Alfred Brendel(ブレンデル)のレクチャーに参加!_f0130621_13474994.jpg

レクチャーのタイトルは、"On Character in Music"
基本的には、ベートーヴェンのソナタを中心にブレンデルがレクチャーし、
必要な箇所は、隣のピアノで弾きながら、と言う形式。

和声の進行のような、音楽の理論的なことではなく、
"ピアニストの一番の使命は、作曲家の心理的描写を感じる事”とし、
それぞれのソナタを、どのような解釈で弾いているのか、
どのようなイメージをもって、弾いているのか、ということがメインです。

時にはあるモチーフを取り出し、
楽譜にしたら、1,2段、多くて1ページくらい演奏するのですが、
それだけでも、感動。

ワルトシュタインにテンペストに、田園、熱情も。。。
あ~~、本当にうまいな~~~~、と、
(うまいだなんて、軽々しいのですが他にいい言葉が思いつきません!!)
もっと弾いて、もっと弾いて、と心の中で叫んでしまうほど。

1時間半のレクチャーは、瞬く間に過ぎ、
最後に何かの1楽章くらいは、演奏するかな、と思いきや、
そのまま終ってしまいました。
お客さんも、アンコールで何か演奏してくれるかも!と、
一生懸命拍手をしていましたが、結局は演奏はなし。

とってもとってもがっかりでしたが、
逆にプロとして潔く、もう弾かないと決めたら本当に弾かないんだと、
帰りの車の中、ブレンデルを夫と共にたたえなおしました。

この後北米地域は、Yale(イエール大学)、Washington DC,Prinstonを
回る予定とのこと。
ピアニストを引退してもなお、経験と、知を社会に還元しているなんて、
尊敬ですね。

おうちに帰ってから、ブレンデルのベートーヴェンソナタ全集を、
1日聞きなおしましたが、(暇?)、
やはり生の感動には勝らず・・・。

少しでも演奏が聞け、ロンドンでの感動をまた思い出せ、
最高の芸術の秋と、なりました♪
by gold_99 | 2009-11-03 14:08 | Studying
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