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はじまりのおわり ~日本への帰国~

ずいぶんとお久しぶりになってしまいました。

6月上旬から、ヨセミテ、サンディエゴ、LA、ディズニーランド、サンタバーバラに旅行した後、
ばたばたと引越しを済ませ、先週末に日本に完全に帰国しました。
私たちの2年間のアメリカ生活が、ようやく終わりました。

2年間をどういう風に振り返ったらよいのか、何からはじめていいのか、、、
ひとつの記事にまとめるにとても難しいのですが、思いつくままにまとめの意味も込めて、
振り返ってみたいと思います。

* *

帰国が近づくにつれ、沢山の友人たちから、
"What will you miss?"(アメリカ生活の何を懐かしく思うか?)と散々聞かれ、
いつもEverything(すべて)と答えていました。

Californiaの抜ける青空、カラッとしたお天気、新鮮なお野菜やフルーツ、そしてNapaやSonomaの
美しいワイナリー、いつものスーパー、学校、車、街の花々、Filoli,
そして、アメリカで出会ったさまざまな国のオクサマ方、そのご家族、
すべてが大事な私の宝物なのです。

20歳の時にイギリスの大学に留学した私にとって、
初めて経験したものの印象は強烈で、海外=イギリス=ヨーロッパとなっていました。
イギリスにいた頃、イギリス人は何かといっては、アメリカ正統ではないし文化がないと、
馬鹿にするので、アメリカには何の興味もありませんでした。
(9.11のテロの直後だったという影響も大きくありますが・・・)、
なので、2年前に夫がアメリカに行くと決まったとき、アメリカに対して何の期待もありませんでした。

その期待のなさがよかったのかも知れません。
各国のオクサマ方との友情、英語の勉強、Filoliのボランティア、お料理教室の開催と、
自分では予期しなかったレベルの満足をえることができました。

とても狭いコミュニティだから、夫からは詳細をブログに載せる事は止められていましたが、
もう帰国したので明かしてもよいでしょうか。。。

この2年間は、夫のMBA留学についてのアメリカ生活でした。
留学が決まった時点で私は会社を辞めることを決め、夫自身も新たな活躍の場を求め、
会社を辞めての自費留学。

日本にいる時はお互い働いていたし、何不自由なく暮らしていましたが、
アメリカでは2年間の無収入生活。
そもそも暮らしていけるのか、ひもじい思いをするのではないか、心がすさんでしまうのではないか、
その事が原因で夫と喧嘩が増えてしまうのではないか。。。
出発前は、先行きかなり不安な状況でした。

が、住んでみるとそんな暗い気持ちは全くなく、、、
アメリカで得た教訓を元に、少し書いてみたいと思います。

1.人間の豊かさは、お金ではない!

当ブログをご覧いただいてお分かりの通り、この2年間、心はとても豊かでした。
夫とは不思議と、金銭的なことで揉めることは全くありませんでした。
もちろん、外食や旅行やお買い物など、我慢することは沢山ありました。

でも、朝は自分の焼いた食べたパンを食べ、おやつも手作り、レストランの様なディナーを作ったり、
近くの木々や花々を見ては感動し、これ以上贅沢な生活があるでしょうか。
これもCaliforniaの豊かな自然と、食材の豊かさが助けてくれたことは言うまでもありません。
Californiaに感謝です。


2.楽しみは自分で作り出すもの!

ほとんどの日本人留学生は、会社からの派遣で来るので経済的に恵まれていますが、
他の国の人は、大体が自費で留学してきます。
なので、出発前「一人だけ惨めな思いをするのではないか」という心配が、とても強くありました。

が、周りの各国のオクサマ方は、ほとんど我が家と同じように、無収入。
みんなで協力して、スーパーのいいお店を教えあったり、
外食をするのではなく、おうちでポットラックパーティーをしたり、
こんなにも世界中から集まっているんだからと、お料理を教えあったり、
みんなで車をシェアして、公園に行っておしゃべりしたり、、、
みんなで数え切れないくらい協力して、その団結力はものすごいものがありました。

きっと私がすべてを満たされて、アメリカ生活を送ったならば、
これほどのオクサマとの友情は築けなかったのではないかと、思っています。

本当に不足というものは、人間を強くするものです。
何もかも満たされたのでは、工夫する意欲も、人を思いやる心もなくなってしまうと感じています。


3.アメリカには文化がある!

アメリカのことを、文化や歴史がないと言って批判する人がいます。
前述の通り、私自身もイギリスでの経験から、アメリカには文化がないと馬鹿にしていた一人です。
もちろん、ヨーロッパのような町全体が歴史の中にいるような、そういった文化はありませんが、
各国からの移民を受けて入れきたその事が、アメリカの文化その物なのではないかと、
今では思うようになりました。
アメリカ国内でも地域により差はあるとは思いますが、Californiaは特にその傾向が強いように感じます。
英語という面から見れば、Adult SchoolやYWCAでサポートがあり、
いろんな方のボランティアによって成り立っています。
はるか遠い国から来た人が少しでも不安なく楽しく暮らせるようなプログラムが、沢山あるのです。

また以前のTutorの記事にも書いた通り、いろんな人種で成り立っているアメリカなので、
異なる人種が、異なるバッググラウンドを背負い、お互いを理解しながら機能し、
結果として、世界をリードしている。(その事でいろんな問題も生じていますが・・・)
オバマ大統領の誕生などの時など、多種多様なものが混ざり合っても、
全体としてはものすごいパワーを発するアメリカの一体感に感心したものです。


*  *

20代のうちに、英語圏でも全く異なるイギリスとアメリカに住み、その違いを実際に感じ取り、
自分なりの考え方を持つことができた事は、私の人生の中で最もラッキーな事だったと思います。

イギリスに行かせてくれた私の両親、アメリカ留学を実現してくれた夫の努力、
このような夫を育ててくれた、夫の両親にも改めて感謝をしたいと思います。


日本への帰国の直前、私たち夫婦をFarewell Dinnerに、アジア人、アメリカ人、インド人など、
オクサマとご主人が20人ほど集まってくれました。
この多さにはびっくりしました。

このアメリカ生活、つらい事というのはあまりなかったと思いますが、
何ヶ月かに1回位は、何もすることがなくなってしまい、虚無感に襲われることが何度かありました。
それはきっとどこのオクサマも同じ。
そんなときは、電話やメールを出せば、すぐに駆けつけてくれたオクサマ方。
きっとこの存在がなければ、私のアメリカ生活は限りなく色あせたものだったと思います。
どんな感謝の言葉を並べようとも、足りない位の感謝を、どうしたら英語で伝えられるのか、、、
きっと伝わっていると願っています。
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夫についても、きっとこの友人たちに大いに助けられたことでしょう。
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最後には、ハグをして涙を流して、別れを惜しんでくれる・・・。
このように心をかわせた友人が世界中に出来た事は、アメリカ生活一番の財産でしょう。
離れていても、ずっとずっとBest Friends.
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これから少しずつ休みがあれば、友人たちを訪問をする旅をしたいねと、夫と話しています。

まずその第一弾は、2週間後。
夫がまた出張でいないことをいいことに、Koreanオクサマ2人をソウルに訪ねることになっています☆

   *

私たち夫婦の人生の新たなはじまりだった、アメリカ生活は終わりました。
夫は7月から働き出します。
私は今までのような「Visaがないから働けない」というBig Excuseは通じなくなります。。。
やはりこの世にうまれてきたからには、なにかしら自分にしか出来ないことをしようと思っています。
さぁ、夢のような生活はもう終わり、動き出しましょう。


とはいっても、、、まずは新居への引越し。
夫が長期出張でいないので、合計100個以上のダンボールを私1人で明けることになっています。。。
OMG, OMG!!!
アメリカの車生活でなまった体には、いい試練でしょうか・・・。

     *

来るアメリカ生活に向けて、結婚後はじめたこのブログですが、
この帰国を以って、一度閉じたいと思います。
食に話題が大いに傾き、たんなる自己満足、備忘録に過ぎないブログに、
遊びに来ていただき、本当にありがとうございました。

身内には、ブログを通じて私たちのいい生存報告になったと思いますし、
ブログからはじまったご縁で、実際にお会いして今でもお付き合いが続いている方もいます。
ネットからはじまる交流範囲の可能性を、思う存分楽しませていただきました。

とはいっても、日記としてはブログというのは本当に便利なので、
いつかどこかで、ひっそりと復活するかも知れませんが、、、これで一区切り。

長文投稿、お付き合いいただきありがとうございました。
またいつかまで、、、ごきげんよう!!  

                       2010年 6月 Golden
by gold_99 | 2010-06-26 13:05 | ごあいさつ
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